2. ベリル・ストーリー
ベリルの特徴
ベリルという名称では一般に知られていませんが、実はアクアマリンやエメラルドを含むベリリウム鉱物グループの総称です。工業用ベリリウムの原料に使われる一方で、透明度の高い石は非常に美しく、高級ジュエリーとして扱われます。
純粋なベリルは無色ですが、微量な元素が混入すると色が変わり、それぞれ違った名称を与えられてきました。一応、色によって名称が区別されている石としては、下記のものがあげられます。
・水色
アクアマリン(鉄分による発色)
・緑色
エメラルド(クロムやバナジウムによる発色)
グリーンベリル(鉄分による発色や、クロム不足の石)
・ピンク
モルガナイト(マンガンによる発色)
・赤色
レッドベリル、ビクスバイト(マンガンによる発色)
・黄色
ヘリオドール、ゴールデンベリル、イエローベリル(鉄分による発色)
・無色
ゴシュナイト(セシウムを含むことが多い)
外見的な特徴としては、六角形の柱型結晶で、頭部が平らな点があげられます。アクアマリンやエメラルドはよくこの特徴を表しています。なかには、円柱状であったり、不定形の塊状に見える場合もあります。
▲アクアマリンの六角柱状結晶。
名称の由来
ベリルの語源は、ギリシャ語でさまざまな緑色の石を指す「beryllos」に由来します。
古代においては、無色透明のベリルで眼鏡を作りました。ドイツでは眼鏡のことをブリレ(brille)と呼びますが、この鉱物名が転化した呼び名です。
ベリルの意味
前述のように、ベリルとは、アクアマリンやエメラルドに代表される鉱物グループを示す全体名です。
一方、人間は、アクアマリン、エメラルドといった具合に、別種類の石として扱ってきました。
現代においてこのように「別のものが同じものである」と理解されたことは、そうした理解が求められているという暗示に他なりません。すなわち、これまでの先入観を捨てて本質を見ることの大切さ、外観による違いを乗り越えて調和を求めることの大切さを、ベリルは教えています。
この他にヒーラーやチャネラーたちが言及している点を調べると、多くの場合は心理的な癒し、トラウマを解消し、魂のレベルでの光明をもたらす作用があることで共通しています。
それは単純に「ストレスを軽減する」と言及されることもあれば、必要のない不安や心配を防ぎ、心を鎮め、本当にやるべきことは何かという点へと導くという解説の仕方をされる場合もあります。
また、よりメタフィジカルな解説では、石と魂のパターンとの呼応という視点も見られます。現在知られている代表的なベリル族は6種類あり、人の魂の中にも6つのパターン(あるいはカテゴリー)があり、それぞれ石と魂のパターンが呼応して、抱える問題を明らかにし、その解消をサポートするとされます。
ベリルグループの石をひとつひとつ手にして、その感触を確かめることによって、直感的に自分にとっての石がどれか、ひとつなのか複数なのか分かるはずです。それは自分がどういった傾向の人間なのか、石を通して探ることにもつながります。